この3つが揃わなければ、WAGARAGAは生まれませんでした

日本の和柄には、一つひとつに意味があります。

木や花、自然の風景、日本の道具。昔から身近にあったものを文様として写し取り、そこに願いや意味を込めて、日々の生活を少し楽しく、少し豊かにしてきました。

私はその思想に、とても感動しています。

日本では、和柄はあまりにも生活になじんでいるため、私たちはその素晴らしさを特別なものとして意識する機会が少ないのかもしれません。しかし改めて世界の中で見つめ直すと、そこには日本独自の美しさと、暮らしを大切にする感性があると感じます。

この美しさは、世界でももっと評価されるべきものだと思っています。そして日本の中でも、もう一度その価値を再発見してほしい。現代のプロダクトにも、和柄をもっと積極的に取り入れていきたい。

そんな思いから、WAGARAGAは始まりました。

現代の生活に合う和柄との出会い

今回、和柄の図案を手がけてくださった成願先生は、画業50周年を迎えられた方です。着物デザイナーとして歩みを始め、これまで多くの商品に和柄の世界を広げてこられました。

その発想はとても豊かで、和柄をただ伝統として守るだけではなく、現代の生活の中に自然に取り入れていく力を感じます。

最初に成願先生の和柄を見たとき、とても現代的なエッセンスが含まれていると感じました。

私の中にも、和柄は着物や帯に使われるもので、少し古めかしいものという固定観念がありました。しかし、成願先生の図案は違いました。

お願いしたとおり、現代のプロダクトや現代の生活に合う和柄としてデザインされていました。

この和柄をApple Watchのバンドにしたら、きっと素晴らしい製品になる。

そう確信しました。

革バンドを仕立てる、職人の手

次に必要だったのは、それを日常で使えるApple Watchバンドとして形にする技術です。

日本で革バンドを作ってもらえる工場は、決して多くありません。いろいろ探して、ようやく出会うことができたのが、バンビさんでした。

工場を訪れたとき、革バンドを作るためには想像以上に多くの工程があることを知りました。そして、その一つひとつの工程に職人の技が生きていました。

繊細な作業を、丁寧に積み重ねていく。

そうして完成したバンドは、ただの部品ではなく、思わず「触ってもいいのだろうか」と感じるような、アート作品に近い存在感を持っていました。

何度も試作してたどり着いた特殊印刷

そして、和柄の表情を革の上に再現するためには、特殊印刷の技術が欠かせませんでした。

竹内さんの120インクによる特殊印刷は、最初から簡単に完成したわけではありません。

何度も試作を重ねました。やり方を変え、条件を変え、試験を繰り返しながら、ようやく成願先生のデザインが持つ表情を再現することができました。

この特殊印刷によって生まれたテクスチャーは、見た目だけでなく、実際に触れたときにも独特の触り心地があります。和柄の美しさを、視覚だけではなく手触りでも感じられるものになりました。

この試行錯誤がなければ、WAGARAGAは完成しなかったと思います。

意匠、手仕事、技術が融合したプロダクト

WAGARAGAは、どの工程も欠かすことができませんでした。

成願先生による和柄の意匠。 バンビさんによる職人の手仕事。 竹内さんの120インクによる高い特殊印刷の技術。

この3つが揃わなければ、WAGARAGAは生まれませんでした。

それぞれが別々に存在しているのではなく、すべてが集まり、融合し、お互いを引き立て合うことで、ひとつのプロダクトになったのだと思います。

腕元から、日々の生活を少し豊かに

この製品には、たくさんの人が関わっています。

着物デザイナーの感性、職人の手、技術者の試行錯誤。その一つひとつの思いが詰まっています。

身につける方が、腕元を見るたびに和柄の良さや素晴らしさを少しでも感じてくれたら、とても幸せです。

ぜひ手に取って、和柄の美しさを感じていただきたいと思っています。

そして、その人の日々の生活が、ほんの少しでも楽しく、豊かになることを願っています。